2019年07月07日

爺の名は。

ごきげんよう。コイケジュンコでございます。
あら。お言葉がいつもより上品ですって?
オホホホ、そうなんです、ワタクシとうとう行ってまいりました。
執事カフェへ…!!!

10年ほど前、「おひょいさんのような執事がいる『執事カフェ』オープン!」のニュースを見てずっと行きたかった執事カフェ。
しかし、今は若い執事さんたちだという噂を聞いて行けず仕舞いでした。でもずっと気になっていた執事カフェ…!
数ヶ月前にのそ子さんと秋葉原へ行った際、メイド喫茶の話題からその話になりまして、行ってみようか!?という運びになりました。ありがとう、のそ子さん…!

執事カフェは予約制。その予約設定時間、15分刻み…!
色々とルールも多く、どんどん私を緊張させる・・・。
そして呼び方から出かける際のお声がけまで設定を選択できるシステムになっており、お嬢様&執事系に疎い私としては試されている感が半端ない…!とりあえず出かける理由を「乗馬」に設定いたしました。
そして、二日前に届いた執事からの確認メール(覚えてる?の確認とキャンセル料などの説明)に意味もなく不安になり「嵐でも行くよね!?這ってでも行くよね!!?」と鼓舞するように確認し合う私たち。
そして当日ー。本当に嵐のように雨風すごいんですけどぉ〜〜〜!!???
なんか前フリみたいな状況になっちまった、、majiで這ってでも行く勢いで千葉っ子はごつい長靴にパンツをインしていざ出発!
そんなこんなで「時間厳守」に緊張しながら現地に着いてみると小降り〜〜お嬢様むだに長靴〜〜〜!!!
無事に着けたのは良かったですが、こ、この格好で「お嬢様」って呼ばれるんかい…申し訳ない気持ちでいっぱい。。

池袋駅から歩くこと15分。とうとう執事カフェに着きました…!
未知なる世界へのドキドキから逆に妙に落ち着きモードになっていく私。
「準備が整いましたので、どうぞお入りください」
その言葉に促されてドアノブに手をかけようとしたその時、扉の向こうで開けてくれる人が。
目に飛び込んできたのは、60代と思しき執事。よ、予想外〜〜!!
優しく妙に腰の低い若爺やが私の傘を・・・!!!(歓喜)
期待していなかった初老の執事がいたことの喜びが顔に出るのを抑えきれないまま細道を通り抜けると急に広がる雅な空間。と同時に方々から「おかえりなさいませ」「おかえりなさいませ」の声が。ちょっと待って、、見ないで!私まだニヤけてるからっ!!

さっそく怪しさをアピールしたところで担当の執事からの説明タイム。
やはり執事なのでひとテーブルに一人の担当が決まっているようです。
「本日は乗馬の時間がありますので、80分後にお出かけとなります」と言われて、(あ…、そういえば予約の際に「乗馬」設定していた!)と思い出しました。まさかの長靴が活きました☆(限りなくワーク系な形ですが。)

そして注文。悩んだ末、二人ともベタにアフタヌーンティーを選んでみました。(量を食べ切れるか心配する少食なのそ子さんと量が足りるか心配する大食漢なコイケ。)
三段あるアフタヌーンティーですが、食べる皿を出すのも執事がやらないといけないんです!皿を変えたい時も執事を呼びます。お嬢様なんで!
せっかち人間、ウッカリ無意識に自分で皿変えそう…緊張感あるぜ。。お嬢様って大変!!

テーブル上でも色々忙しいのに、私たちの周りを執事たちが忙しく動き回っているのでそっちの観察も忙しい!
そんな中、のそ子さんが耳打ちしてくれました。「コイケさん、見て!」
その視線の方向に顔を向けると…
70代半ばと思しき爺登場〜〜〜っ!!!ああっ!どんどんストライクゾーンへイイ球入ってきたァァァ…!!!
俄然ソワソワするコイケ。
そんな怪しいオーラを嗅ぎ取ってか本命爺やが我らのテーブルへ…!
「今日は雨すごかったでございましょ〜?大丈夫でございましたか?」
「あっ!でも今は止んできました!ああっ、でもまた降り出すかもしれませんがっ!」その様子、執事とお嬢様というよりテニス部の先輩と話しかけられて浮き足立つ下級生。
そして爺やは風のように去って行きました…良い……
もうそこから私の爺や視線ストーカーが始まったのですが、他のテーブルにも天気の話題振ってる!世間話感が半端なくてもはや執事なの、か、、?
そこも含めて素敵だよ…爺や……!

そんな爺や、途中から隣りの席に来た常連と思しき二人組に待ってましたとばかりにお声がけ。
「お会いしたらこの事をお話ししようと思っていたので、本日お会いできてよかったです☆」なんて親しい笑顔を見せて、、嫉妬!
もうこれは通ってあの笑顔を私にも…!!と謎な対抗意識が生まれました。

周りを見渡してみると、常連さんたち結構いる!気さくに長話しているんです。タメ口で談笑しているんです。お嬢様…!
あの域に自分もいつか行けるのか?と先輩を見るような目で見ていましたが、そもそも元来の性格上何年経ってもダメな気がする…多分ツンデレカフェとかの方が向いている気がする……。
二人連れということもあり、執事との交流が淡白になりがちな私たち(故に周りのお嬢様と執事たちの交流を楽しむ)でしたが、終盤に転機が。

先日やってもらった私のバースデー@メヒコの話をしていたところ、ちょうど紅茶を注ぎ足しに来た執事が「それはどちらでございますか?海鮮が食べられるお店でございましょうか。」と話に入って来ました。
メヒコとは、一風変わったシーフードレストランでして、代表的なお店が店内一部をフラミンゴ小屋にして生息しているフラミンゴを目で楽しみながらシーフード料理を食べる(ということはフラミンゴも人間を見ながら餌を食べている)という謎で素敵なレストランなんです。執事、ちょっとハードル高いものに食いついてきたぁ〜〜!!(汗)
突然の交流にワタワタしながら説明するも初めてプライベートな会話するには難しい題材で、ハテナマークがたくさん浮かんでそうな執事は「お嬢様はグルメでいらっしゃるのですね」と笑みを浮かべてメヒコ話の終止符をバサッと打ってくれました…。

そして執事カフェに来たら行った方が良いのがお手洗い。
皿を変えるのも許されないので、もちろん自分で勝手にお手洗いに行くことも許されません。
執事先導のもとお手洗いに誘う扉まで連れて来てくれます。そして帰りもこの扉前で待っていればそれに気づいた執事が席まで連れて来てくれる仕組みです。
ちなみに、その扉を開けると使用人扉やお手洗い扉などがある空間があり、そこからは自らで女性用お手洗いに行く形になっています。
まあ、そこは普通の飲食店のトイレですよ(めんどくさくなってトイレ表記)。変わった扉ではありましたが、普通であることにいろんな意味でリラックスしていたら、か、紙が柔らかい…!!
サービス施設ではあるまじき紙の優しさ。我が家の紙よりも柔らかい!柔らかすぎる…!!(涙)
優しさに触れてトイレで心を絆されるコイケ。
そんな隙だらけの状態でトイレの扉を開けたと同時に、隣りの男性用トイレの扉を開けたところの爺やが!(恋が芽生える距離)
あっ!ってお互いなり何故かすみませんを繰り返す微笑ましい二人。(自分で言う)
「お嬢様、外の扉でお待ちくださいね。執事がお連れいたしますので」
トイレというプライベートタイムに突入するところにも関わらずアドバイスを忘れないプロい爺や。
「はい!」と良い返事をするも振り返るといくつもの扉が…!よくありがちな帰りになると風景が変わるやつ。えっ、、どれ!!!?(汗)
そんな私を見かねて「私がお連れします」と名乗り出てくれた爺や。
「え、いいんですか!すみません!!」爺やの尿意が心配になりつつも、思ってもみなかったランデブーにお言葉に甘える私。
しかし、スタートが悪かった。私は扉付近、爺やはトイレの扉に手をかけていたところ、ということで、私がかなり前にいて、、、

これってもしかして…
わたしたち…
入れ替わってる〜!!?

どうしよう…これは完全に私が爺やを案内してる……!!!(汗)
「二人の王女」第二次審査の北島マヤの演技状態になってしまいました。。(なんのことかわからない人、「ガラスの仮面」文庫版14巻175ページ参照!)
これ、あとで爺やが他の執事たちに怒られたらどうしよう、、と思いつつもう取り返しがつかず、私にできることは散歩中の犬が飼い主をチラ見するかのごとく距離が開かないように小まめに確認することだけでした・・・。

それにしても、爺やはどうやってこの執事の職を見つけたのだろう…
執事になるまでの生い立ちが気になる……

ちなみにこの日は七夕前ということで、お嬢様たちにはたんざくが配られました。(料理もイベントも季節感を大事にする執事カフェ。)
たんざくにはずっと「健康」の文字を刻んできた私はこの二文字をデカデカと書き、のそ子さんは美しい字で「社会性。」とのそ子カラーが前面に出たたんざくを。お嬢様たちの切実な願い・・・
それを見た執事が「社会性。大切でございますね。しかし社会性が備わってしまうと私たちのお役目がなくなってしまいますので、ほとほどにお願いいたします」と爽やかな笑顔で去っていきました。
なにそのアドリブ……
つかみんななんなの!?何してる人なのよっ!
俄然彼らの執事以外の顔が気になってしまうお嬢様になりきれないコイケなのでした。

帰り際に「次回おかえりになられた際に番号のついたカードをお渡しいたします」と会員カードになれないペラカードをもらい、「3回来ないと認めてもらえないってこと…!?」と遠い目になりつつ「またいつか来よう」と笹にたんざくをつけながら心に決めたのでした。
だって私、まだ爺やの名前も聞いていない!
いつかあの爺やの名を呼び捨てにできるその日まで…!!
posted by コイケジュンコ at 23:11| Comment(0) | 日記