2020年11月12日

迷えるお婆たち

こんばんは、コイケジュンコです。

コロナ第三波…忍び寄っておりますね。。
なるべく人と距離を取って、積極的な交流をせず…という日々が続いておりますが、
コロナ禍でも人を密にするもの、そのひとつに道案内があるでしょう。
道に迷う人間は藁をもすがる思いで人に尋ね、尋ねられた方も「この人が無事目的地に着けるかしら」と親身になってしまいます。

この日記を読んでくださっている方は私がワールド級の方向音痴なのはご存知ですね?そうです、めちゃくちゃ人に尋ねます(かなり必死な形相で)。
しかし一方で、聞く側の気持ちがわかるので身の程知らずにも道に迷っている人に自ら声かけることも多いです。それが私の大好きなジジババであるなら特に。

先日、総武線各駅電車に乗っていると錦糸町駅で二人組のおばあちゃんが乗車してきました。即座に席を譲ろうとするギャルに「ああっ!すぐ降りるから大丈夫です!」と慌てて断る声を聞きながら両国駅へ到着。
「あら?ここじゃない!?ええ〜…」と言いながら降りるのをやめるおばあちゃん二人。不穏な空気が出てまいりました・・・。
近くにいる女性に「丸井はどこの駅ですか?」と尋ねる声が聞こえる。ああ、これはまさしくやっちまってる!なぜなら、丸井はおばあちゃんたちが乗ってきた錦糸町駅にあるからです。

「え、過ぎちゃってますね…」と言いづらそうに告げる女性。
「あら!やだ〜じゃあ次の駅で降りなきゃ」「丸井ってどこにあります?」「…錦糸町です」「錦糸町?違ったわよねえ。。」
おばあちゃんたちの明るいやりとりの反面、周りにいる人間は全員ヤキモキしておりました。(どこの丸井なの…!!?)

タイミングが悪いことに、両国より先はしばらく上りと下りのホームが別。もし乗り換えるのであれば、エスカレーターがある秋葉原駅が妥当…!緊張感が高まります。
ちょうど秋葉原で下車する予定だったので注意深く見ていると、おばあちゃんたちも違う扉から降りてる!しかも目の前にはエスカレーター!行ける…!!
勝利を確信したのもつかの間、おばあちゃんたちは明後日の方角に歩いていきました。ちょ、ちょっと待ったあぁぁぁ!!!

耐えきれず話しかけにいく私。「すみません、丸井に行かれるんですか?」もやは盗み聞きしていたことを隠さぬダイレクトな質問。
その怪しさを気に留めず、「そうなの!でもどこの丸井かわからないの!」と明るく返事をしてくれましたが、私は絶望いたしました。まさかの場所の分からない丸井探し…そんな致命傷ある!!???
「でもここら辺だと丸井は錦糸町だと思いますよ」「でも錦糸町ではなかったと思うのよ…」
「上野にありますけど」「それじゃないわね(きっぱり)」
「新宿や渋谷にもありますけど、、違いますよね?」「違うわね。」
「…場所、なにかヒントになること覚えてませんか?」「忘れちゃったのよね〜〜!あの紙持ってくればよかったわね!ね☆」と言い合う二人を見ながら私はこう思っていました。その握りしめているスマホは…?

こうなったら我がiPhoneを使うしかない…!丸井の公式ホームページにアクセスして店舗一覧を上から読み上げることに。
「有楽町」「違う」「新宿」「違う」…「北千住」「違う」「錦糸町」「「…錦糸町!」」
おばあちゃんたちハモったあ!脳の片隅は覚えてるものです、これはやはり錦糸町だろうと!

しかし、歓喜する私の鼻をへし折るようにミルクボーイよろしく不穏に切り出されました。「でもおかしいのよ〜」
「な、なにがですか…?」「ホームに友達が待っていなかったのよ。だから違うと思うのよね〜」
ええええ!!!そんな理由で目当ての駅から電車に飛び乗っちまったの!!???それこそ握りしめてるスマホで連絡ぅぅぅ〜〜〜!!!
私がちょっとおののいていると「あれ、やっぱり両国だったんじゃないかと思うの!そんな記憶がある。」と探偵顔で言い出すおばあちゃんA。「そうかも、まず両国行ってみようか!」とおばあちゃんBも賛同、やばい!このままだと丸井を求めて両国で降りてしまうぅぅぅ!!!
焦る私は「いや!両国に丸井はないです!!!両国駅で降りてもいっぱい歩いて錦糸町店にたどり着くだけです!!!」と必死に説得。
しかしやはり錦糸町に納得いっていないのか、「駅員さんに聞いてみようか?」と言い出してこれまた止める私。いやいや!店舗名分からない丸井の場所聞いても駅員さん困惑するだけだから!!!

消去法から99.9%錦糸町の丸井であることは間違いなさそうなので、目の前のエスカレーターを半ば強制的に促しました。コンコースを通過して反対側のエスカレーターを上がるだけなのに山手線の方へ行こうとするおばあちゃんたちをさらに軌道修正しながら・・・

2週間以上前の話ですが、未だに「あのおばあちゃんたち無事友達と会えてちゃんと丸井に行けたかな…」と思い出しては不安な気持ちになっております。
もしこの日記を読んで思い当たるお孫さんはご一報ください。
posted by コイケジュンコ at 22:35| Comment(0) | 日記