2021年09月21日

『黒にんにく。』と君が言ったからこの展示は黒にんにく記念展

みなさまこんばんは。コイケジュンコです。
前回の日記から半年…!月日経つの早すぎない!?
いつもこんな出だしで、そしてくだらないことしか書くことのない私ですが、
今日は、あ る !!
先週までBunkamuraのBox Galleryにて個展、その階下ナディッフモダンで展示をさせていただいておりました!!!

たまたまご縁があって開催の運びになったこの展示。
このコロナ禍ということもあって、私としてもどうなるのかな!?とギリギリまでドキドキしながら迎えた個展でしたが、結果、溢れ出る感謝が止まらないものとなりました。

不安もありつつ行った設営では、率先してお手伝いをしてくださるスタッフのみなさんのおかげで滞りなく空間ができあがり、
作品レクチャーではみなさん熱心に聞き質問をしてくださりコイケ作品を理解しようとしてくださる姿勢に感動。
会期中もよい展示にしようと尽力してくださるみなさんのおかげで気持ちのよい在廊ができました。
コロナ禍で個別案内も気が引ける中、多くの友人や作家仲間が足を運んでくれ、その上、展示レポートをしてくれる方が多くて、「このご時勢で個展を開催する」ことへのエールがヒシヒシ伝わり、多くの人の善意で押し上げられた個展であったと強く感じ頭を垂れる日々でございました。

そんな個展の初日、熱心に観てくれている初老の男性に声をかけられました。
「この壁にある言葉の中心に線が引かれているのはなんで?」
今回の展示は、壁にセリフのインスタレーションをしておりました。そのセリフの中心に線を走らせ、打ち消す線から溢れ出てしまう抑えきれない気持ちを表現していたのでした。
そのことをお伝えすると「んー…、ひとつだけ線を取った方がいいんじゃないかな」となぜか演出アドバイスを始めるおじさん。
私的にそれでは意図が変わってしまうのでやんわりと否定しながらその言葉を流しておりました。
すると一点を見つめ固まるおじさん。え?怒ったの??とちょっと焦っていると、おもむろにリュックを下ろしガサゴソし始めました。
固唾を呑んで見守っていると、小さなポーチから取り出され白机にそっと置かれた小さな黒い物体。
これは・・・何ぞ!?
突然のできごとに今度はこちらが固まっていると、

「黒にんにく。」

とおじさん。
え…今なんつった……?クロ、ニ、ンニ、、ク…?? 何でっ!!!

さらに混乱していると、もう話は終わったと言わんばかりにおじさんは作品鑑賞を再開。
え、、で、これは、、、「い、いただけるんですか…?」流れから察し恐る恐る聞くと、目をこちらへ向けず頷くおじさん。
あまりに突然のこと、そして老眼も相まって、もうこれがクラフト作品なのか本物なのかもわからず錯乱していると、それを察知したおじさんが「食べられないから☆」と斜め45度のキメ顔で教えてくれました。
そしておじさんは史上最強のイケメンくまキャラ・セザールのように私の目の前から颯爽と去っていったのです…。

というわけで、今回の展示はそんな黒にんにくに見守られた展示にもなりました。
今、その黒にんにく作品は我が作業場で鎮座しております。
この黒にんにくを見る度に今回の個展のことを思い出すことでしょう・・・


っつーか、なんで黒にんにく!!!????
posted by コイケジュンコ at 23:07| Comment(0) | 日記