6月もなんだかバタバタ、コイケジュンコ39歳です。
ええ、バタバタしているうちに39歳になってしまいました。
まあでも、忙しいのはいいこと、ありがたいことです。
39歳だけに感謝(サンキュー)の気持ちを忘れずに頑張る一年にしたいと思います☆(ダジャレを言うなんて私も大概おばさんになった証拠ね…)
さて、そのバタバタの結果が最近解禁になっておりますが、明日でそろい踏みします!
日本橋・奈良まほろば館にて「たんざく展」、浅草橋・パラボリカビスで「Little Creatures展」「body&clothes展」が開催中、そして明日から銀座オフィスイイダで「手しごとセレクト展」が始まります!
こんなに同時期にグループ展に参加するのは初めて!しかもどれも作品群が被らない(笑)
まず、「たんざく展」はまさかの墨!
場所が奈良まほろば館だったので、せんとくんを爺様にした「せんと爺」を制作いたしました☆
せんとくん溢れるお店でシブいせんと爺…w 是非お楽しみください!
そして、「手しごとセレクト展」。こちらはオフィスイイダさんの企画でオリジナル扇子!
作品を扇子にしていただけるとあって、私だったらこんなの欲しいを詰めた作品にしました。
THE爺&POP!完全に私の趣味ですが(笑)、持っていたらかわいい仕上がりになったのでこちらも是非チェックしていただきたい♪
そしてそして、パラボリカビスさんでの二展示。
「Pandy Pandy展」での縁で紙のぬいぐるみの新作を出していますが、最近撮影用に偏っていたHI-FUKUも久々に展示させていただきました!
中でも思い入れのある作品「妄想ドレス」を初展示!!
これは外で呼び込みしてでも見ていただきたい作品なんであります。
私の骨折れHI-FUKUに「カシミ屋ドレス」という、ティッシュをひたすらこよって編んでいる遠い目になる作品があるのですが、それに負けず劣らずな骨折れ作品…それが妄想ドレス。。。(またも遠い目)
その妄想ドレス、どういう作品かと言いますと、分厚い月刊少女漫画雑誌を背表紙以外、一冊丸ごと服にしたというもの。
これが結構大変なんです!
何故なら、1/5くらいの量で充分だからなんです。
作品はどの段階で完成とするかということも大事。それを見誤ると駄作にもなります。
一冊丸ごと使わなければならないというのは美的駄作というリスクを追うもの。でも雑誌が一冊トランスフォームするというルールは譲れない。それには、試行錯誤を繰り返し、ルールを守りつつ美的にも昇華するという神経を使う制作日々を送るしかないのです!
もうバックには中島みゆきの「地上の星」が流れかねない壮大な感じになってきましたが、じゃあそもそもなんで妄想ドレスが生まれたのか…その話をいたしましょうか。。。
それは数年前、色々悩みを抱えてクサクサしている私が友達の家に遊びに行ったときの事。
漫画はキラキラした少女漫画しか読まない友達が最近ハマっていると差し出してくれたのが「君に届け」という漫画でした。
そんな気分じゃねえぜ…と思いながら読み始めたら、笑っちゃうくらいに爽やか!私に清らかな心が戻ったかどうかはわかりませんが、キラキラパワーでやたら元気になりました(笑)
「これだ!今の私に足りないのはこのキラキラ感だ!」と思いまして(まあ、年齢的にそんなキラキラはなくて当然)、その後癒しのためにコミックスを買い揃えま した。
それから一年くらいして、新刊が発売したとの情報を受け読んでみたら…すんごい良いところで終わっていたんですよ!!ほんとにびっくりするくらい良いところで終わっていて、「この続きは雑誌で読める」みたいなことが書いてありまして。
もういい大人なので次が発売するまで待つなんてできないということで、コンビニでちょっと立ち読みをさせてもらうことに(大人なのにすみません…)。
しかし付録が付いていて読めない状態になっておりました。。。
読みたい、しかしアラフォーが別冊マーガレットを買うことには抵抗がある、付録もいらない、というか「君に届け」の行く末がちょっと知りたいだけで買うほどではない…と葛 藤。
そしてあることを思いついたのです。
そうだ、別冊マーガレットを買う意味を作ればいいのだと。
別冊マーガレットを買う行為、その意義は作品に使うことで昇華されるのではないかと。
訴えたいテーマがあって素材を選ぶのでななく、素材ありきで私がどう料理するのか、しかもその素材が自分の邪心から生まれたものだったら…すごく私らしいではないか!と思いまして。
そして私は別冊マーガレットを持ってレジへ行ったのでした。(ちょっと学生風をなびかせながら…)
というわけで、「君に届け」の行く末が知りたいために、買った別冊マーガレットを昇華させるべく1冊丸ごと全部使用するという邪で大作な「妄想ドレス」が生まれました。
途中、「こ、これ以上貼れねえ…!」とボクサーの減量みたいな時も乗り越え、出来上がった作品は過剰なまでのデコレーション。それが妄想の脂肪みたいで、一本筋の通った作品となりました。
作品完成までの苦労もそうですが、この作品に思い入れがあるのは、私の中で腑に落ちたきっかけとなった作品でもあるからなんです。
『カシミヤ100%」と言いたい』という思いから生まれたス○ッティ社のティッシュのみで作ったドレス、『制作過程の葛藤を作品で見たい』という気持ちから生まれた5つ連続で作られたドレス、そして今回の妄想ドレス…どこか「自分へ課題を出す」というところがありまして、自分を試して「無意識への意識」を探求しようという意思が働いている節があるんです。
故に何だか「コンセプト」というよりはきっかけ、もしくは「シチュエーション」なんですよね、私の作品にあるのが。
「コンセプトが弱い」と言われ続けた二十代。
一貫した大きいコンセプトはあるにせよ、私の作品には一点一点に饒舌になるようなコンセプトはありません。故に「作品は面白いけど、コンセプトが弱い」と上げて落とされることが多い日々でした。
コンセプトって何なんだよっ!と逆ギレしたい気持ちで悶々と二十代を過ごしていたわけです。今となっては「コンセプトがないことがコンセプトです」と言えるんですが。
ない、ということでもないと思うんですが(どっちだよw)、ドヤ顔で語れば語るほど私の作品が逆流していく感じがして…。
その狭間で苦しんでいた二十代を抜け、不動のユルさを手に入れた三十代、そしてこの妄想ドレスで自覚した「シチュエーション芸」というわけです。
自覚すると早いですねw
コンセプトという呪縛から解き放たれて、今一番自由に作っているかもしれません☆
人生深みが出てくる40目前にして、これからどんだけユルい自由を手に入れるのか、見届けていただけたら幸いでございます(笑)
2013年06月30日
シチュエーションアート!?
posted by コイケジュンコ at 23:58| Comment(0)
| 日記
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